クラニオ・ノート

頭蓋仙骨療法の学びと日常生活のブログ

July 2014

おそらくクラニオというものは、それを行う場所、環境がかなり重要だと思われる。

理想は、自然を尊重した環境、ゆったりしたスペースなのだろう。

だからセミナー会場も本当はそういうところも気をつかう必要があると思う。


ヒーリングを行う環境としては、これらは当たり前のことかもしれないが、そういう条件がしっかりしていないとクラニオを実践するのも難しいと思う。


僕が参加したセミナーでもそういう雰囲気作りを重視していたと思う。 

まあ、あんまりクラニオはスパルタ式でやるものじゃないと思う。馴れ合いでもいいのかもしれない。相互依存であっても構わないのかもしれない。共存という考えに近いのかもしれない。


「あなたと私は違う。しかしあなたは1人ではない」という感じでもある。


なんとなく、クラニオとは、施術者の一方的な感覚や感性を頼りにしてはいけないような気もする。受け手のある程度の協力、理解は必要だと思う。もちろん受身でも構わないと思うけど。


クラニオとは、まだ僕の中ではぼんやりとした曖昧なものかもしれない。とりあえず今はそれでいいと思う。










 

クラニオの学習法はセミナーの参加がいいのかもしれないけど、今セミナーで学ぶとしたら、CST系なら2つくらいだろうか。

また頭蓋オステオパシーはオステオパシーなので、またちょっと変わってくると思う。

バイオダイナミクスは最近どうなんだろうか。

カイロのAKやSOTでも頭蓋骨テクニックはあるけど、それはそれで難しい。


よくクラニオに関しては、CRIを感知するのが難しいとか操作が難しいという意見を聞く。

あと、本を読んでも学べないし、セミナーに数回参加しても理解できないという意見も聞く。


じゃあ、どうすればいいんだと思うが、頭蓋系はたぶんセンスと実践だと思う。人によっては独学も可能だと思うし、最終的には独学でもいいような気もする。

まあ、才能がすべてといわれると非常に困るんだけど、CSTなんか日本に入ってきてから結構な人数がセミナーを受講していると思うけど、そこまで実践、普及しているようには思えない。結局挫折している人は多いと思う。僕もその1人かもしれない。

テクニック的な欠陥があるのかもしれないし、食えないのかもしれないけど、その前に感覚的にCRIがわからないとか、施術的な好みもあるのかもしれない。


ただ結構偉い先生でも、頭蓋テクニックは、本を何度も読んで、セミナー2、3回参加して、後は実践で訓練したという人もいる。まあ、実践で実験台にされる人はたまらないけど、手技療法はそういうところもある。しかも金もらって。


だから、本をよく読んで、数回セミナーに参加して、後は実践、訓練でもいいと思う。その後はセンスと才能だろう。


本当はクラニオの上手い先生にマンツーマンで長時間習うのが理想的だけど、そういうのは普通はなかなか機会がない。セミナーでも時間の関係でなかなか難しいこともある。

練習会は理想ではあるけど、クラニオに関しては、統一された定義、意思のもとで練習しないと揉め事が起こることがある。


個人的には、施術の上手い人に金を払って、正規の施術を10回以上まず受けるのがクラニオ学習法の初歩だと思っている。その後、本を何度も読み、そしてセミナーに参加する。

実践は家族、友人などをまず実験台にする。あるいは、事前説明した上で条件付きの無償施術を行う。まあ、無料モニターみたいなものだ。

クラニオは、自己施術もできるけど、たぶんどうしても限界が出てくると思う。自己満足に近いようなものになってしまうこともあるし、なかなか感覚はつかめないこともある。

個人的は、最初は別にCRIとかわからなくても、無心で軽く手を触れているだけでもいいと思う。かえって変な治療欲や焦りがあると良くないと思う。素人的な感覚も時に大事なこともある。


クラニオは女性の方が向いているということはそういうことかもしれない。僕は練習するにしても、受けるにしても女性の方がいいような気がしている。

男は論理的に考えたり、治療欲が出たりする。そういうのが手や雰囲気に出てしまうことが多い。それでもいいとは思うけど、僕の考えるクラニオの理想はそうではないと思っている。まあ、僕もそうだけどオタク的にテクニカルに考えるとよくないのかもしれない。左脳的になってしまうことはCSTのセミナーでもよくないと言っていた。



 

 

先日の昔のSOTの治療動画を見た。

方法は、頭蓋骨の各反射点に触れ、三角筋の筋力検査を行い、その後、頭蓋骨治療を行う。頭蓋骨治療は、反射点を押したり、かなり強そうな力で、頭蓋骨を動かしていた。

筋力検査はともかく、頭蓋骨治療の基準がよくわからなかった。反射点や頭蓋骨に刺激を与えて、脳に刺激を与えているのではないかと思った。

治療後、ほとんどの人が筋力検査で力が入るようになっていたが、筋力検査は術者、患者の思い込みが入ることがあるので、本当に正しいかはわからない。

施術としては、シンプルで筋力検査、頭蓋骨反射点指圧or頭蓋骨各種操作、筋力検査の順で、時間も5分くらいだ。


頭蓋骨の反射点は僕もいろいろと教えてもらったが、ほとんど忘れてしまった。触診も施術も難しい。後頭骨の反射点は、たまに使うことがある。 

クラニオをやっていると、SOTの頭蓋テクニックの一部はかなりハードで抵抗を感じることもある。しかしやる人がやれば、ハードなテクニックでも効果は出る。ただしハイリスクなので、僕はあまり好きではない。

しかしクラニオセイクラル・オステオパシーを読むと、頭蓋骨の施術にまた興味が出てきた。







 

クラニオの技法は、静的クラニオと動的クラニオにもわけることができると思う。

これはメカニックや非メカニックという分類の仕方とは、異なり観念的なものになる。あくまで個人的な考えになる。

僕自身のクラニオは、動的クラニオに近いと思う。頭蓋仙骨を意識的に動かすことに積極的でもある。リズムを感じることも積極的でもある。動的クラニオとはより能動的であるという意味もある。

ただし、意外とCRIやその他のリズムを意識していない点もある。つまりその理論に生体を押し込まないことである。自然の体のリズムを尊重する場合は、特定の理論に体をはめ込むことは無理が生じることもある。その無理が長時間続いた場合は体の自然なリズムを邪魔することがある。

実はクラニオにつきものがちな、CRI、CSF、5グラム論争もあんまり好きではない。ただしCSFの循環理論については解剖生理学的な観点から興味はある。

動的クラニオと静的クラニオのどちらが優れているという議論は無意味である。目的が異なるので比較の対象にはならない。好みの問題もある。どちらも一般医学、科学的視点から考えると、理論的に納得できるものではないのかもしれない。

バイオメカニックの立場に近いのは、その理論が比較的自分には理解しやすいからである。他のクラニオを否定する気にはならないが、ときどき感じる違和感はある。その違和感のほとんどはクラニオに対する過大評価である。科学的云々という話を聞いてもそれはテキストなどに書いてあることをそのまま鵜呑みにしているような感じを受ける。曖昧な点はクラニオの中には存在すると思うが、それを無視しているような気もする。

本当に解剖生理学に基づいているのか、仮に基づいていた場合、触診から操作における段階は、医学的・科学的に納得できるものかを考える必要はあると思う。

CSTでも上級レベルになると、体性感情解放やイメージ対話療法、さらに東洋医学的な観点などが初級レベルの10ステッププロトコルとの整合性があるか考える必要もあると思う。

クラニオにおいては、「曖昧な何か」はあると思う。それをはっきりさせることはできないような気もする。だからといって、その曖昧な何かを考えることをやめる必要もない。

クラニオにおける触診力には、透視的な要素も含まれるのではないかと思うこともある。それは客観的なものではなく、主観的なものなので論理的ではない。そしてその触診力は訓練によって身につけるものではあるが、やはり才能、能力の差は出てしまう。クラニオが超能力者的なヒーリングの面があることは否定できない。

しかし、凡人には凡人なりのクラニオができるのではないかと思っている。そのとき大切なことは謙虚さだろう。



 
 

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